音声認識が数字と固有名詞を間違える。置換してよい範囲と、いけない範囲
文字起こし・AI文章の整形コラム
文字起こしを読み返して直すとき、時間を取られるのは誤変換です。
そしてその誤変換は、数字と固有名詞に偏ります。
なぜそこに集中するのかが分かると、確認の順番を決められます。
数字は表記が定まらない
「いちまんごせん」と発音されたものは、複数の書き方ができます。
- 15000
- 15,000
- 1万5000
- 一万五千
どれも間違いではありません。音声認識はどれかを選んで出力しますが、その選び方は一定しないことがあります。
同じ文書の中で表記が割れるのは、このためです。
単位も同様です。「にじゅっパーセント」が「20%」になるか「20パーセント」になるかは、その場の判断で変わります。
固有名詞は辞書に無ければ当たらない
人名、会社名、製品名、地名。
音声認識は辞書に基づいて変換するので、辞書に無い語は音の近い別の語になります。
厄介なのは、出力された語が日本語として自然に読めてしまうことです。
たとえば「オオヤさんに聞いてみます」という発言が、「大家さんに聞いてみます」と出力される。
話し手が指していたのは大矢さんという人でしたが、文としては成立しているので、読んでいて引っかかりません。
同じ音に、人名としての表記と一般名詞としての表記が両方ある場合に起きます。
一般名詞のほうが辞書に載っている頻度が高いので、そちらが選ばれます。
機械的に直せるもの
表記の統一は、一括置換で処理できます。
- 数字の表記を揃える(半角に統一する、桁区切りを付ける/付けない)
- 単位の表記を揃える(% とパーセント)
- 日付の形式を揃える
これらは、どちらの表記でも意味が変わりません。だから機械的に決めてよい範囲です。
直してはいけないもの
一方、音から推測して固有名詞を書き換えるのは危険です。
「田中さん」と出ているのを、文脈から「棚橋さん」だろうと判断して置換する。
当たっていれば直りますが、外していれば、元の情報も失われた状態で誤った内容が残ります。
判断が付かない箇所は、直さずに印を付けておくほうが安全です。
後から音を確認できる形にしておけば、確認した人が直せます。推測で埋めてしまうと、その箇所が確認済みなのか未確認なのかも分からなくなります。
一括置換の副作用
置換するときは、当たる範囲を確認してから実行します。
短い語ほど、意図しない箇所に当たります。
「山田」を置換するつもりが、「山田町」まで変わる。「3」を置換したら、「13」や「30」の一部まで動く。
前後を含めた形で指定する、置換前に件数を確認する。この2つだけでも事故は減ります。
探し方を決めておく
読み返して見つけるのは、見落としが出ます。抽出してから見るほうが確実です。
数字は、数字だけを拾って一覧にすると表記のゆれが見えます。並べれば、半角と全角が混ざっているところや、桁区切りの有無が一目で分かります。
固有名詞は、初出の箇所だけ確認します。同じ語が繰り返し出るなら、一度確認して置換すれば全部直ります。
逆に、一度しか出てこない語は確認の優先度が下がります。間違っていても影響範囲が狭いためです。
日付は、前後の文と突き合わせます。「来週の水曜」と「15日」が食い違っていれば、どちらかが誤変換です。
確認の順番
数字、固有名詞、日付の順に見ると効率がよくなります。
数字は機械的に揃えられるので先に済ませます。
固有名詞は判断が要るので、集中力のあるうちにやります。
日付は数字と固有名詞の両方の性質があるので、最後にまとめて確認します。
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